三体月観月会 旧暦(12/23)PM21:00~
熊野地方では、旧暦の11月23日に山から昇る下弦の月が三つに分かれて見えた、という伝承があります。 その伝承にちなみ三体月観月会を開催します。
…そう書かれたチラシを片手に、行ってきました三体月観月会!
三つに見えたら良いな~…という淡い期待を胸に真冬の観月会ははじまりました。
21時~21時30分の間に「中辺路コミュニティセンター」に集合して、そこから観月会が行われる「潮見峠」に向かいます!
潮見峠は意外と遠く、そして標高が高い…!
道中の細めな山道に戦々恐々としながら、私は愛車を走らせたのでした。
頂上では地元のお嬢様方が先に行って色々と準備をしてくれていました。テントの他にも簡易トイレや焚き火も。
そして「夜間+むちゃくちゃ寒い+三脚を持っていない」という事もあり、
私のカメラテクニックはブレブレテクニックへと変貌を遂げたのでした…。
焚き火の写真は、何だか恰好良かったので無駄に50枚くらい撮ってしまいました。
その中から「焔!」という雰囲気のものをご紹介。
周りに人がわらわら居るのですが、暗いので写りませんでした。
そして観月会は開会を迎えます。まずは観月会の会長さんからごあいさつ。
これまた暗い(光源が足りない)ので何とも陰影くっきり。
開会の挨拶のあとは、お嬢様方が作って下さった豚汁がふるまわれました!
野菜がたっぷり、おもちも入っていて冷えた体に本当に有難かったです。
おそなえする蜜柑もふるまわれました。小ぶりで可愛いんだけれども、甘くておいしかったです。
何気にちょこちょこと5個くらい食べさせて頂きました。
お神酒もふるまわれました。
当たり前ですが、車を運転しない方のみ飲めます。本当に選ばれた人のみ飲めるお酒ですね…
車で来ていた私は当然の様にお神酒は頂けず、羨ましそうにしながら後ろから写真を撮っていました。
羨ましすぎたのか、ここでもブレブレテクニックを遺憾なく発揮してしまいました。
お気づきでしょうか?スタッフの方や語り部さん・演者さんは皆さん白装束を着ていらしたのですよ!
何とも神秘的な雰囲気を盛り上げてくれていました。
そんな雰囲気の中、横笛の演奏がありました。凛とした寒さを優しく吹き抜ける横笛の音色。素晴らしかったです。
続きましては熊野古道の語り部さんのお話です!
三体月のいわれのお話、熊野古道のちょっと不思議な話や潮見峠の話など。
詳しくは熊野古道にいらして、語り部さんから聞いて下さいね~!
参加者の皆様から一言ずつ感想や気持ちを聞くコーナーもありました。遠い所では兵庫県から来られている方も居ました。
他府県から来られた方には何かお土産を渡されていました。
三体月も楽しみですが、星空の美しさに感動されている方が多かったです。
カメラにはうつりませんでしたが、とてもきれいな星空でしたよ~!北斗七星がくっきりと出ていました。
そんなピリッとした寒空の下、清姫太鼓さんが演奏してくれました。
厳選した何曲かを演奏して下さったのですが、まさに気合の一言。
真夜中に見る・聞く和太鼓は、近世の熊野古道と云われている潮見峠という場所も相まってか、
昼間よりも五感に訴えかけるものがありました。
さあ!そろそろ時刻は月の出の予定時刻に近付いて参りました。
修験の方たちが、月が出てくる方向に向かって法螺貝を吹きます。
法螺貝のあとは般若心経を読み上げて月の出を待ちます。テントの灯りも焚き火も消して、辺りは漆黒の闇。
何やら不思議な雰囲気…。
出ました!
…私のブレブレテクニックが…。見事にブレて、きれいな三体月です。
残念ながら本当は一体でしたが、私のカメラの中には三体月の写真がたくさん。
「三体月撮れた!」と騒いでいたら、隣で撮っていたおじいさんが
「どれ?あ、ほんまや!ワシも撮ろう…」
…と、ブレブレテクニックが広まり、幻の三体月は量産される事に…。(笑)
こうして観月会の夜はとっぷりと更けていくのでした。
編集後記
とてもアットホームな観月会で、地元じゃない方も初めての参加の方も楽しめるイベントではないでしょうか。
たまにはのんびりと、夢を求めて月の出を待ってみるのも粋ですね。